「キャー!やっぱり若い子はウマいねぇ」
黄色い声援が飛び交う。
30代後半を迎え、アイドル並みの声援を受けるのも何とも気持ちが良かった。
会社移転!会社を辞めるか?移転先に永住するか?妻と悩んだ末に、私達は永住を心に決めた。
地方の小さな町は、大きな工場が来る事で雇用と町の活性化が期待され盛り上がっていた。
新住人を迎え入れようと、田畑を開拓し安い金額で販売、私達夫婦も35年ローンを組んで新築住宅を購入した。
私達は、3年前に知り合い1年の交際を経て結婚しました。
妻は綺麗ですが、どちらかと言うと可愛い感じで、スタイルも良く男性好きなムチッと感がある女性です。
某TV局で働いていたそうで、毎日忙しく恋愛などする余裕もなかったようです。
30歳も過ぎ、長年の疲れと人付き合いに疲れたのか?世に言う軽いうつ病になってしまい仕事を辞めたそうです。
そんな時、私と出会い今に至ります。
妻:34歳/私:38歳 子供:なし
田舎は地域との付き合いが大事だと、先輩社員に教えられ私達も引っ越すと直ぐに、ご近所に挨拶に出向きました。
ご近所は年配の夫婦で暮らす方が多く、ほとんどが農家で、子供達は近隣の街に出て行った様でした。
だからでしょうか?私達が出向くと、皆温かく家族の様に接してくれました。
私も妻もホッと一安心すると同時に”良い所だね”と心から思いました。
新居での生活も一か月も過ぎる頃には、ご近所から採れたての野菜や肉の差し入れがあったりと、街で暮らしていた頃よりも、生活は楽でした。
その頃には、近所の集会にも参加しちょこちょこ飲み会も開かれ、近所との親睦も深まりました。
そんな時、地域会長さんから”今晩集会があるから、夫婦で来てみて!”と声が掛ったんです。
会長と言っても、まだ50代で奥さんも49歳だそうです。
私達も、差入を片手に集会場に向かいました。
集会は、始まっていて中に入ると直ぐに会長の横に座らせられ、酒を注がれていました。
妻も、会長の奥さんに酒を進められ”グイっ”と飲み始めていた。
「今回は、井上夫妻にも参加して貰おうかと思っているんだが・・・」
「えっ何にですか?」
「パークゴルフだよ」
「聞いたことはありますが、未経験ですよ・・・」
「教えて上げるから・・・若いし直ぐに上達するよ」
辺りからも、喜びの声が上がり、断る事は出来ませんでした。
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