うちのアパートから徒歩4~5分のところに、公共の施設があります。
名称は、“女性福祉センター”とか、“女性総合教育センター”とかそんな感じで、僕のような男の独身者が足をふみ入れていい場所ではありません。
(過去にトイレを借りようとしたら、受付のお姉さんに「ここに男性トイレなんてありません!」と言われて追い払われたことがあります)
この中でなにが行われているのか・・・・平日の昼間に、こんな施設を利用するのは、もっぱら近所の奥さんたちであるように思います。
ある夏の午後・・・・センターの前を通りかかると、近所の奥さんたち三~四人がコンビニ袋をさげて建物の中に入っていきました。
夏休みのせいか、母親につきしたがう女子生徒の姿も見えます。
こども会かなにかの会合でしょうか。
・・・ところが違いました。
隣のアパートに住み、たまに挨拶するぐらいしか面識のない、主婦の凉子さん(37歳)が、話しかけてきたのです。
それも、尋常ではない命令口調で。
「あら、◎◎くん。
いいところで会えたわね。
いまから、あなたのうちまで迎えにいくつもりだったのよ。
まったく、ナイスタイミング・・・・ってやつね」
あ、あの・・・・・・なんのことでしょうか??
「いいから、来ればわかるから。
でも、一応簡単に説明てあげると、このあいだの、わたしの、ベランダの洗濯物の件・・・・と言えばわかるかしら?」
げえっ!やっぱり、ばれていたんだ・・・・。
実は、一週間ほどまえに、凉子さんのベランダから、風で飛ばされた下着を一枚、頂いたことがあるのでした。
これで僕はすっかりしどろもどろになり・・・・・・鋭い目で睨む凉子さんの命令を拒むことはとうてい許されず、気がつけば、他にも三~四人の主婦に取り囲まれ、半ば強引に、“女性センター”の中へ引きずり込まれたのでした。
怖ろしいことに、センター内には、たくさんの女性が待ち受けていました。
大半は、地元で小学生の娘を持つ、比較的年齢の若いお母さんたちです。
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