私は、20代前半で結婚して5年目になりますが、まだ子供は居ません。
そんな私が初めての不倫を経験することになったのは、よくあるパターンかもしれませんが、中学のクラス会がきっかけでした。
高校のクラス会は何度かあったのですが、中学のクラス会は短大に入りたての頃に一度あっただけで、久しぶりでした。
前回は、その頃好きだった北野君が来れなかったので、少し残念に思っていたのですが、今回は来ると聞いていたので楽しみでした。
クラス会当日、懐かしい顔の中に北野君の顔もありました。
好みというのは変わらないものなのか、相変わらず…というより、社会人になった彼はさらに素敵に見えました。
中学校の頃は、なんとなく照れくさくて、あまり話もできませんでしたが、あれから何年も過ぎた今は、そんなに意識もせずに話すことができました。
北野君は「まだ独身」とのことなので、「でもいい人いるんでしょう?」と言うと、
「いやぁ、彼女もいなくてさぁ。誰か紹介してよ」と言われました。
私は「え~!北野君素敵なのに、本当?私、中学の時、北野君のファンだったんだよぉ」と言うと、
北野君が「本当かよ?俺もケイっていいなって思ってたのに、失敗した~!」なんて言っていました。
「それ本当?わぁ、20代前半で結婚なんてしなきゃ良かったかなぁ…」と半ば本気で言いました。
少し酔っていたのかもしれません。
「機会があったら、食事でも…」ということで、私たちはお互いの携帯の番号を教え合いました。
でも、実際にはその電話番号に電話する勇気はなく、数日が過ぎていきました。
ある日、買い物に出かけている時、携帯の着信メロディが鳴ったのに私は驚きました。
心のどこかで北野君と会うことを期待していた私は、北野君からの電話の時だけの着信メロディを設定していたからです。
心の準備ができないまま電話に出ると、北野君が「今、暇?実は仕事で客先に来たんだけど、先方が約束忘れていて出かけちゃってて、帰りが5時過ぎになるって言うんで、時間が空いちゃったんだ」と言いました。
5時なら、まだ4時間近くあります。
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