私鉄沿線S駅近くで花屋を営んでいる二代目店主です。
2年前の話です。お座敷、ダイニング用の活花を定期的に購入されるお客様、理絵さん(33歳)の旦那様がアメリカに転勤となりました。
理絵さんは子供さんの学年の区切り等を考慮して時期が来るまでお子さんと二人の生活に入ったそうです。
従ってお座敷用の花は不要との申し出を寂しそうに語っていました。「それは御不自由なことですね」と同情の言葉を掛けました。
お花を届ける度に気軽に話を交わしますし、時にはリビングでコーヒーをご馳走になりながら世間話をします。
「不自由」の言葉には或る意味を込めて申し上げたつもりでしたが、理絵さんにも通じたようで、やや顔を染めて「そうなの。まだ若いからどうしましょう」と返され、期待以上の言葉にどぎまぎしつつ「今は優れた代用の品がありますから、それ等で慰めると良いですよ」と理絵さんのお顔を見ながら呟くように話しました。
「えっ、そんなのあるんですか?」と意外な返事でした。
「今は雑誌でも広告が載ってますし、インターネットで検索してもショップが探せますよ」と説明したら「恥ずかしくてとても注文出来ないわ」と下を向いて言います。
清楚でスレンダーな奥様との会話です、力が入ります。
「それでは私にプレゼントさせて下さい」
大事な商売のことも素っ飛び積極的に振る舞い、折角のチャンスを生かそうと必死でした。
10日程後にお花の配達で伺い用意したプレゼント、包装された電マとバイブの二つを手渡しました。
「え、ほんとにぃ、はずかしいな」と言いながら受け取ってくれました。
内心では「やったぁ」です。
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